山梨大学医学部付属病院は、2009年1月から最先端の電子カルテシステムの運用を始めています。中でも眼科と耳鼻咽喉科においては株式会社ワコムの液晶ペンタブレットDTU-1931」を活用した手書き入力対応のシステムを導入してインフォームド・コンセントに活用し、効果を上げています。
【新システム導入の背景】
同病院は特定機能病院として、患者が安心して受けられる安全な医療の提供を目指しています。そしてさまざまな業務を効率化するために、医療情報管理のシステム化を図ってきました。その中でも特にカルテや診断画像を中心にした患者情報のシステム化を重要視してきました。
同病院の眼科と耳鼻咽喉科ではこれまで紙ベースで業務が行われ、検査時に撮影される画像も各診療科のシステム内で個別に管理されていました。このため他の診療科で過去に診療を行った診断・検査画像情報を入手するのに手間と時間がかかっていました。
また病院経営の観点から、同病院では紙ベースで業務を運用する場合にかかるコストやセキュリティの問題も認識しており、医療業務の完全ペーパーレス化への対応が検討されてきました。
【システムの概要】
2009年に導入されたシステムでは、同病院とシステム提供社が、大規模な医療機関において共通に見られる診療業務の課題を共同で抽出して、これらを勘案した機能の追加開発を行いました。また、診療の際に手書きのスケッチやコメントを書き入れて記録することを重要視する眼科と耳鼻咽喉科については、電子カルテに加えて当社の液晶ペンタブレットと画像ファイリングシステムなどが導入されました。
・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」:
富士通株式会社
・画像ファイリングシステム「Claio」:
株式会社ピーエスシー
・手書き入力インターフェース「C-Note」:
株式会社ピーエスシー
・液晶ペンタブレット「DTU-1931」:
株式会社ワコム
このシステムにより、一人の患者に対して必要な情報を全診療科で検索・閲覧できるようになりました。眼科と耳鼻咽喉科では、これまで他の診療科とは異なるシステムで管理をしていた診断画像(レントゲンや患部の画像など)や過去の診療・検査記録を表示して、医師の所見や簡単なスケッチをディスプレイ上に直接書き込み、そのまま電子的に記録することができるようになりました。この情報は電子カルテと連携して一元管理されており、他の診療科の情報と同様に検索・閲覧できるようになっています。
【システム導入の効果】
・患者情報がシステムに一元化されたため必要な情報の入手が容易になり、医師はこれまで以上に診療行為に集中できるようになった。また、診察にかけられる時間も増えた。
・画像ファイリングシステムと液晶ペンタブレットを組み合わせて利用することで手書きによる書き込みが可能になり、ペーパーレス促進につながった。
・耳鼻咽喉科のように、複雑な構造で、かつ患者自身では見えない部位を扱う診療科ではシェーマ(スケッチ)を使って患者に説明することが必須であり、医師は液晶ペンタブレットを使用することで書き込みを直感的に行えるようになった。
・医師が書き込んだ所見やシェーマを診察記録として残すことがこれまでより正確かつ効率的にできるようになった。
・患者一人ひとりに対する説明を今まで以上に分かりやすく伝えることができるようになり、インフォームド・コンセントに活用できた。
【今後の展開】
現在同病院では、眼科と耳鼻咽喉科で導入した手書き入力システムを他の診療科でも採用し、上記のようなメリットを他の診療科でも享受できるように準備をしています。これにより、情報システムを活用した病院業務全体の効率化を引き続き推進するとしています
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